: 2013年1月29日

早川由紀夫の火山ブログ 物理の方法と地質学の方法

早川由紀夫の火山ブログ 物理の方法と地質学の方法

「データ3つで標準偏差を計算するのはおかしい」とする主張を私は物理の方法と呼んで、それだけが自然を正しく記述する方法だとする立場を強く批判した(追記参照)。そういう物理の方法としては他に、「正確でない数字の前にはかならず「約」をつけなさい」「結果は有効数字で表現しなさい」が、ある。

複雑な自然をそのまままるごと研究対象にする地質学(や生態学など)は、観察結果を数量で表現することの有効性をもちろん知っている。しかし、歴史性や地理的要因のため、データ取得がしばしば思ったようにはできない。そのとき、数量的表現をあきらめる立場があろう。

しかし私はその立場をとらない。どんなに精度が悪くても、言わないより言うほうがはるかにましだと思っている。精度が悪い数量を日常的に使っていると、数字の前に「約」をつけたり有効数字にこだわることに意味が認められなくなる。すべての観測数値に誤差がある。

日本語としても、あいまいな表現を連続するより、できるだけ言い切ったほうがわかりやすい。こういう事情を斟酌できない人は、「物理帝国主義」にいまだ毒されているといわざるを得ない。自然の記述の方法、すなわち自然の見方をひとつしか知らない不幸な人だ。

物理の方法だけしか知らないと、歴史に学ぶ姿勢が欠かせない防災に支障をきたす。2000年8月の三宅島噴火のとき、政府が対応に失敗した主因はそこにあると当時指摘した。
このような姿勢を早川学と言いたい。まだ、何も見えていないが、何かこれまでに学んだことのないことを感じている。毎日学ぶことがあるものだ。

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