: 2012年10月16日

過剰な除染補助せず 国伝達に市町村反発 : 上毛新聞ニュース

過剰な除染補助せず 国伝達に市町村反発 : 上毛新聞ニュース
更新日時:2012年10月12日(金) AM 07:00

 福島第1原発事故による放射性セシウムの除染が県内で本格化するのを前に、国が汚染状況重点調査地域に指定されている12市町村に対し、除染によって空間放射線量が「年間1ミリシーベルト(毎時0・23マイクロシーベルト)」を下回る必要はなく、本県では国が示す簡易な除染手法以外は補助しない考えを伝えていたことが11日、分かった。入念な除染が「過剰」とされれば補助を受けられなくなる。年間1ミリシーベルト以下を目指してきた市町村の一部は反発。県は入念な除染手法も国費補助に含めるよう国に要請する方針だ。

 県庁で開かれた放射線対策会議の除染部会で、環境省職員が12市町村の担当者に伝えた。

 環境省によると、除染の目標は、政府が昨年11月に定めた「長期目標として年間1ミリシーベルト以下。2年間で半減」との指針に基づく。試算では放射性セシウムは3年で半減する。本県の場合は「そもそも心配するほどの汚染はない。その上に除染をすれば、その後の数値を考慮する必要はない」と説明、安全性を強調した。

 だが、「年間1ミリシーベルト」は国費で除染する地域を指定するための基準。市町村にとっては、住民に説明してきた「安全性の目安」だ。

 「住民に『1ミリシーベルトを超えたから』と除染に理解を求めてきた。除染後に『下がらなかったが、大丈夫』では納得してもらえない」。会議では市町村から困惑の声が相次いだ。

 国の補助対象は、屋根や壁の拭き取り、庭木の刈り込みなど。高圧洗浄や表土のはぎ取りなどの経費がかさむ手法は原則として「過剰」となる。

 川場村は簡易な除染では効果がなかったため、教育施設の駐車場の舗装を一部はぎ取り、側溝のふたを新たに購入した。こうした経費600万円近くが「過剰」とされる恐れがある。関清村長は10日、環境省を訪れて全額補助を認めるよう要望書を提出したが、一部を除いて難色を示されたという。

 今後、民家での除染を控える桐生市。9月に公共施設で除染効果を実証実験したところ、国が示す手法はほとんど効果がなかった。「国の手法では住民に安心してもらえない」と結論づけ、民家では入念な除染手法を取り入れる。国や東電に費用負担を求めるが、市の負担となる恐れもある。

 県環境保全課は「国は以前から『長期的に低減』という姿勢だが、住民の不安を目の当たりにする市町村の立場はそうはいかない」と説明。個別事情によって弾力的に補助対象に加えるよう国に働きかけていく。


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