: 2012年5月24日

木下泰之ブログ : 「こころの健康」「重層長屋」「川場移動教室」、3つの請願への賛成討論

木下泰之ブログ : 「こころの健康」「重層長屋」「川場移動教室」、3つの請願への賛成討論

次に「平成24年川場移動教室における放射能対策を求める陳情」について申し上げます。この陳情は
1、川場移動教室に関連した全ての放射能測定について、公正かつきめ細やかな情報の迅速な開示と保護者に対する情報提供を求めます。
2、川場移動教室で提供される食事については、世田谷区が学校給食を対象に本年4月より実施する放射能検査と同精度の放射能検査を最低毎月1回行うことの対応を求めます。
3、外部及び内部被爆の危険性について、全ての小学校及び保護者に周知徹底し、主に内部被爆回避の徹底を求めます。

4、川場移動教室への参加・不参加決定は各家庭の判断に委ね、不参加とした児童生徒に対する補足充当授業などの対応策の徹底化を求めます。

というものです。
 
 私の意見を申し上げます。川場村移動教室は昨年12月19日に放射線物質汚染対策措置法に基づく「汚染状況重点地地域」に指定された地域であり、世田谷区が除染基準としている空間γ線量0.23マイクロシーベルト/アワーを越える地域を含んでいます。
4月に実施した川場村実施の調査でも空間線量率は毎時0.09~0.33 マイクロシーベルトあるということです。昨年7 月29 日時点の線量結果は2倍も高かったが、除染をしてこの数字になったということです。しかしながら、別の実施主体の計測では5月に実施敷地内地点で、0.629の数値を記録しています。

除染をして多少低い値が出たからと言って安心できるものではありません。重要なことは文部科学省の航空モニタリングでは川場村は山岳地帯森林部を含め6万から30万ベクレル/平米の、チェルノブイリでの汚染区域から一時的管理区域に相当する地域であり、森林の除線が進まない以上、いつでも実施地域の空間線量が上がってしまう危険性があります。

また、実施調査はγ線の空間線量とセシウムのみの土壌汚染調査しか行っておらず、α線各種のプルトニウムやβ線各種のストロンチウム等の土壌および空気中に浮遊し経口や呼吸で内部被爆を招くより危険な放射線各種の調査は行われていません。
 世田谷区内にももちろん放射線汚染はあり、プルトニウムやストロンチウム等を含めたより危険な放射線各種の実態解明を、行政は早急に行う必要があると考えます。
 しかしながら、現在でも空間線量にして5倍は高い川場村に、放射能への感受性の強い小学生を授業目的で、義務的に、半ば強制的に連れて行くことは、そもそも、予防原則からして許されないのであります。放射能とがんの発生の確率に閾値はないと保坂区長も認めている通り、リスクはあるのです。

 そもそも、移動教室は教育目的からして都会を離れて自然を体験し満喫することにあります。

3.11以降の福島第一原発事故はヒロシマ型原発にして168個ともいわれる莫大な量の放射能を放出してしまいました。放射線量のより高い地域で自然を体験したり、満喫することが困難になっている以上、川場村での移動教室は止め、より空間線量の低い地域に行き先を変え、合わせて、放射能被害の危険性についての真実を子供たちに徹底的に教えるべきであります。
 今回の請願は川場移動教室の中止や代替措置を求めるものにはなっていません。なぜならば、教育委員会や世田谷区の対応が強行で、実施を止める姿勢を見せず、会派の中には実施中止との文言を入れた場合反対するとの声もあったため、請願者はやむなく実施を前提とした措置を請願したのであると私は理解しています。
 委員会では趣旨採択となりましたが、私は小学生を川場村に行かせないことがベストであると考えており、その観点から趣旨採択に同意するものです。

 さて、すでに、文教委員会で請願が趣旨採択されたにかかわらず、請願要旨1の放射能測定についての情報開示と提供は不十分であります。
示されたのは概略であり、計測データそのものを示す必要があります。2の要旨については、食事についての放射能検査も区と同精度で行われているとはいいがたいといわなければなりません。願わくば、食事については全食品の検査を行うべきです。

3の要旨の、放射能の外部及び内部被爆の危険性について、全ての小学校及び保護者に周知徹底し、主に内部被爆回避の徹底をすることは特に重要です。

放射線各種の内部被爆についての危険性を知らせるということは、移動教室の危険性を訴えることと同等の行為だからです。ストロンチウム、プルトニウムを含む土壌調査は、昨年秋には実施を約束していたにかかわらず、実際の調査実施は4月に入ってからで、分析結果は7月23日以降と聞きます。このようにいまだ内部被爆を起こす放射線各種は計測さえされていないのであります。
この一点をもってしても子供を川場村に行かせてはなりません。

3の要旨での、内部被爆の危険の知識伝達を周知徹底すれば4の要旨での参加しない自由の保障、つまりは、参加・不参加を各家庭に委ねた場合、不参加が圧倒的になることは論理的帰結となるでしょう。

 川場移動教室の問題は教育委員会と保坂区長の原発問題、放射線問題への見識と態度が問われている問題です。

 最後に別の角度から申しておきましょう。川場移動教室問題について、その実施主体について調べてみると、この事業がすでに教育問題を離れて川場村の経済問題であり関係者の権益が深くかかわっている問題であることがわかります。

 株式会社川場ふるさと公社の23年度売り上げは6億6000万円。世田谷区の指定管理料が3億6000万円、道の駅田園プラザの食堂経営と村の学校給食の請負で1億3000万円。これだけで年間経営収入が4億9000万円もあります。
株式会社川場ふるさと公社が指定管理者となっている川場健康村に移動教室は23年度で12020人の延宿泊人数を提供、年間延30840人の宿泊客の、3分の1超の経済的寄与をなしている。
移動教室の中止決定は客足を遠のかせ、観光と農産物売り上げに影響を与えることは見て取れわけであります。

 しかしこれは大人の事情でしょう。大人の事情を子供の健康問題に持ち込むことは許されないはずです。

特集:ガイガーカウンター (amazon.co.jp)ガイガーカウンタ, 放射線測定器などのグッズを集めました。