: 2012年4月28日

木下泰之ブログ : 川場移動教室、その経済的背景を見る

木下泰之ブログ : 川場移動教室、その経済的背景を見る

川場移動教室問題を経済的背景から見たツイートを13連発しましたが、便宜のためこのブログに、一挙掲載します。

川場村移動教室1:川場村移動教室は世田谷区所有の川場健康村施設(ふじやまビレジ、なかのビレジ)を使って、世田谷区と同教育委員会が毎年6000余名(平成23年度は5200余名の小学生と教職員800余名、6036名)を送り込み行われている「事業」であり、「授業」である。

川場村移動教室2;川場健康村施設の管理運営は世田谷区から株式会社世田谷川場ふるさと公社が非公募で選定され、指定管理料は23年度で3億6000万円。これは世田谷区が支払うが元々は私たちの税金。移動教室参加者の宿泊料は無料だが、食費のみは取られる。一般宿泊者は一泊2食付4700円。

川場村移動教室3;川場ふるさと公社は株式会社。昭和61年4月の区民健康村施設の開設に併せ、その管理運営を担わせるために世田谷区と川場村が共同出資してつくった。社長は鈴木忠義氏(東工大名誉教授)その外に区幹部3名、区OB1名、村幹部1名、村の酒造会社社長等8名が役員。

川場村移動教室4;株式会社川場ふるさと公社の23年度売り上げは6億6000万円。世田谷区の指定管理料が3億6000万円、道の駅田園プラザの食堂経営と村の学校給食の請負で1億3000万円。これだけで年間経営収入が4億9000万円もある。従業員は34名、人件費は年間2億1300万円。

川場村移動教室5;株式会社川場ふるさと公社が指定管理者となっている川場健康村に移動教室は23年度で12020人の延宿泊人数を提供、年間延30840人の宿泊客の3分の1超の経済的寄与をなしている。移動教室の中止決定は客足を遠のかせ観光と農産物売り上げに影響を与えることは見て取れる。

川場村移動教室6;世田谷区と川場村とは縁組協定を締結。普通の姉妹都市より結びつきは強い。現川場村副村長は大場啓二区長の区長室長や都市整備畑の部長を歴任した幹部である。平成の大合併時に群馬県内にありながら世田谷区との合併を志向。県議会同意が必要等の事情もあり断念した経緯がある。

川場村移動教室7;世田谷区と川場村との縁組協定締結後、今年で26年目。毎年6000名余の小学生と教職員の川場村移動教室は、受け入れる運営会社の毎年の売り上げが6億6000万円、区の毎年の指定管理料が3億6000万円という規模からいっても、大きな経済ユニットであることが分かる。

川場村移動教室8;世田谷区と川場村との縁組協定による川場健康村事業はサクセスストーリーであったことは確かだ。小学生の川場体験は大人になっても持ち越されるから、経済メリットはより大きい。26年も続き既に村経済の大きな構成要素となっている。しかし別の角度から見れば癒着だ

川場村移動教室9;フクイチ原発事故よる放射線汚染のホットスポットであることが分かったと同時に、この種の学校行事は取りやめになるのが普通だが、そうしなかった大きな理由がお分かりになろう。移動教室は川場健康村事業の核であり、川場村経済の生命線だからである。

川場村移動教室10;川場移動教室を止めるということになれば、一般観光客への影響も甚大だし、農産物の売り上げにも響くことは必須であることは間違いない。だからといって、世田谷の小学生を放射線被爆リスクに晒してよいわけはない。大人の論理で目が曇らされていることを忘れてはならない。

川場移動教室11;保坂区長には昨年6月の本会議で川場問題の重要性を指摘し撤退を促した。再三の申し入れにかかわらず、川場村移動教室からの撤退を決意しないのは不思議だが、下北沢問題であれ京王線高架問題であれ、公共事業見直し公約を反故にしている現状を見ると、同根とも思える。

川場移動教室12;保坂区長は脱原発や公共事業見直しの選挙公約にかかわらず、昨年4月末の就任早々、前区政から95%を継続とした。これは公約への背理・背信である。前政権の基盤が経済利害誘導にあった以上、この表明は川場移動教室の継続、公共事業の大胆な見直しはなしという方向で現れている。

川場移動教室13;世田谷区内も放射能汚染されているが、川場村の汚染は10倍は高い。「自然の満喫と体験」が実施目標の移動教室は今の川場村では行い得ない。低線量被爆問題軽視では脱原発や再稼動反対の声も空々しく響く。保坂区長は代替措置を講じるべき。真の川場支援・救済は別の道が必要だ。了 by ykinos | 2012-04-28 14:39 | 川場移動教室


会社概要 | 世田谷区民 健康村
第25期事業報告

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