: 2012年1月13日

震災後を生きる:3・11と群馬/群馬 - 毎日jp(毎日新聞)

震災後を生きる:3・11と群馬/1 未来に希望咲け 母の願い込め(その1) /群馬 - 毎日jp(毎日新聞)

 午後3時54分。前橋市の群馬大医学部付属病院で、2866グラムの女の子が産声を上げた。東日本大震災から3カ月余り経過した昨年6月22日。「無事に生まれてきてくれて、ありがとう」。母の石橋初美さん(34)のほおを涙が伝った。

 石橋さんは東京電力福島第1原発の北約4キロの福島県双葉町で暮らし、避難を余儀なくされた被災者の一人だ。夫、孝さん(35)は原発作業員。夫婦は長女に「咲希(さき)」と名付けた。「未来に希望が咲くように」との願いを込めて。

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毎日新聞 2012年1月1日 地方版

震災後を生きる:3・11と群馬/2 除染 即、行動し子供守る /群馬 - 毎日jp(毎日新聞)

 ◇行政対応、極端に鈍く
 東京電力福島第1原発1号機の建屋が、水素爆発で吹き飛んだ昨年3月12日。藤岡市藤岡の私立保育園「ひかり保育園」の竹市義徳園長(38)はテレビ映像に、自分の目を疑った。周りで遊ぶ子どもたちの声で我に返った。「大変なことが起きた。子どもたちを守らなければいけない」

 すぐに地図を取り出し、原発から保育園までの距離を測ると218キロ。学生時代に得た知識が脳裏をよぎった。チェルノブイリ原発事故(86年)では、200キロ以上離れた地域にも高濃度汚染地域が広がり、子どもたちの健康に影響が出ていた。「外は危ない」。事故の翌日から園庭での遊びを中止した。

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毎日新聞 2012年1月4日 地方版

震災後を生きる:3・11と群馬/3 調理法 食材除染を実験 /群馬 - 毎日jp(毎日新聞)

 ◇食塩水、酢漬けで低減
 高崎市昭和町の公民館で昨年12月14日、同市のNPO法人「思いをつなぐ会」(葛西詔子理事長)による食材の「除染実験」が行われた。専門家が考案した食材の除染方法を試し、九州産牛肉、国産豚肉、岩手県産シャケ、静岡県産シラスをそれぞれ食塩水(濃度3%)と酢水(同)に浸して20~30分待った。

 線量計で食材の放射線量を測ると、浸す前に毎時0・14~0・15マイクロシーベルトだった食材が最大で同0・09マイクロシーベルトに。「すごい。下がってる!」。参加者から歓声が上がった。

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毎日新聞 2012年1月5日 地方版

震災後を生きる:3・11と群馬/4 ワカサギ釣り 見通し立たぬ解禁 /群馬 - 毎日jp(毎日新聞)

 ◇新規制値が壁に
 「今朝の新聞を見たか?」。県内の60代男性宅に昨年12月23日、釣り仲間から電話があった。毎日新聞群馬版は赤城山のカルデラ湖「赤城大沼」のワカサギから検出された放射性セシウムの値が1キロ当たり440ベクレルになり、暫定規制値(同500ベクレル)を初めて下回ったと報じていた。一方、同じ朝刊の1面には野菜や魚などの一般食品の新規制値が4月以降、同100ベクレルになると伝えており、手放しで喜べない報道内容になっていた。

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毎日新聞 2012年1月6日 地方版

震災後を生きる:3・11と群馬/5 食肉 安全・安心は死活問題 /群馬 - 毎日jp(毎日新聞)

 ◇規制、国任せの県
 「今後食肉として加工されます」。県は野生のイノシシやクマなどの獣肉から放射性セシウムが検出されても、暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を下回っていることを理由に、特別な対応を取ってこなかった。前橋市で捕獲したニホンジカから同482ベクレルのセシウムを検出しても「規制値を下回っているので注意喚起はしません」。

 しかし、4月からは事情が変わる。規制値が同100ベクレルに引き下げられると、出荷停止に向けた対応に追われる可能性があるからだ。

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毎日新聞 2012年1月7日 地方版

震災後を生きる:3・11と群馬/6 R-DAN検知器 放射線の監視続け /群馬 - 毎日jp(毎日新聞)

 ◇全国900人が測定
 「大変なことになっているよ」。昨年3月15日午後1時過ぎ、知人からの電話に、高階ミチさん(72)=高崎市昭和町=は放射線検知器「R-DAN」のスイッチを入れた。放射線の検知を表示する赤ランプがめまぐるしく点滅し「ピッ、ピッ」と、けたたましい警報音が鳴り響いた。1分間で計測した数値は通常の約6倍。25年間にわたってほぼ毎日測定を続けてきたが、初めてのことだった。この日の毎日新聞夕刊1面は東京電力福島第1原発で「高濃度放射能漏れ」と報じていた。

 異臭がするわけでもなければ、空から何かが降ってきているのが見えるわけでもなく、放射線が実感できなかった。この時間、同市綿貫町にある日本原子力研究開発機構のモニタリングポストも通常の10倍以上の毎時0・6マイクロシーベルトだったことは、かなり後に知った。

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毎日新聞 2012年1月8日 地方版

震災後を生きる:3・11と群馬/7 線量巡る出来事 衝撃与えた汚染地図 /群馬 - 毎日jp(毎日新聞)

 ◇「安全」繰り返す行政
 東京電力福島第1原発事故に伴う空間放射線量を巡り、県内では昨年4月、二つの象徴的な出来事があった。

 一つは、群馬大教育学部の早川由紀夫教授(火山学)による「放射能汚染地図」の作成だ。火山灰の飛散に関する専門知識を生かし、4月21日に地図の「初版」が「早川由紀夫の火山ブログ」で公表された。放射性物質が福島県から栃木県北部を経て、県内では「逆コの字形」に拡散している様子が映し出され、県民に衝撃を与えた。国が大気中の放射性物質の拡散を予測する約5000枚のシミュレーション(試算)結果を公表したのは5月3日と遅れた。

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毎日新聞 2012年1月10日 地方版

震災後を生きる:3・11と群馬/8 線量最高値 県と学者、違う説明 /群馬 - 毎日jp(毎日新聞)

 ◇「安全を守るのは親」
 「県内最高値の毎時0・620マイクロシーベルト」。私立さくら川保育園(川場村谷地)の高梨弘孝園長(55)は、新聞を読んだ時の衝撃が今でも忘れられない。昨年7月1日。県が私立を含む県内の全保育所・幼稚園・小中学校などの園庭・校庭を対象に実施していた空間放射線量調査で、高梨園長は地表での測定結果が県内最高値であることを初めて知らされた。

 国が当時、土壌改良などの線量低減策を実施する際の基準として示していた数値は毎時1・0マイクロシーベルト。高梨園長はこの日、保護者の不安を静めるため、1枚の「お知らせ」を配った。「県の担当課に問い合わせたところ、活動を制限するレベルではないとの回答でした」。そして翌2日、不安を解消するための住民説明会が開かれることも付け加えた。

 しかし、説明会に参加した30代の女性にとって耳を疑うような内容だった。「余計な被ばくをしないように小さい子供には、うがいや手洗いをさせ、家の中に土ぼこりを入れないなど身の回りでできることはしてほしい」。放射線医学を専門とする学者の言葉に、会場はざわついた。

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毎日新聞 2012年1月11日 地方版

震災後を生きる:3・11と群馬/9 地下水 安全の完全証明難しく /群馬 - 毎日jp(毎日新聞)

 ◇客の疑問に悩む
 初めて受けた問いかけだった。「名水と言われているが、安全なのか。検査はしているのか」

 樹齢400~500年とも言われる大杉の根元から湧き出る地下水「箱島湧水」(東吾妻町箱島)。周辺はホタルの生息地として知られる。近くの喫茶店「名水案内所」で10年働き、この水でコーヒーをいれ続けてきた茂木紀子さん(63)は東京電力福島第1原発事故後、湧水の安全性について客に疑問を投げ掛けられるようになった。ほぼ月に1回のペースという。

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毎日新聞 2012年1月12日 地方版

震災後を生きる:3・11と群馬/10止 災害 「群馬は安全ではない」 /群馬 - 毎日jp(毎日新聞)

 「群馬は安全と断言するのは愚の骨頂です」。昨年11月14日。群馬大の片田敏孝教授(災害社会工学)が高崎市内で行った講演会。80人の聴講者は静まり返った。「考えてみてください。群馬は自然豊かな所です。自然の恵みに近づくということは、自然の災いに近づくということです」

 片田教授は岩手県釜石市の防災・危機管理アドバイザーとして防災教育に取り組み、東日本大震災では市内の小中学生のほぼ全員が無事に避難したことから「釜石の奇跡」の立役者と評されている。片田教授が唱えるのは(1)想定にとらわれない(2)最善を尽くす(3)率先避難者になる--の「避難3原則」だ。

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毎日新聞 2012年1月13日 地方版

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