: 2011年11月01日

キノコ原木 水洗いで放射性物質4割除染/上毛新聞ニュース

キノコ原木 水洗いで放射性物質4割除染/上毛新聞ニュース

 福島第1原発事故によりキノコの菌を植える原木の放射性物質汚染が懸念されるため、県は原木を水で洗う除染を実験、4割近い除染効果を確認した。国が示した放射性セシウム指標値は1キログラム当たり150ベクレルで、多くの食品に設定された暫定基準値500ベクレルと比べ「厳しい数値」(県きのこ普及室)。これを超えた場合、国は使用を控えるよう求めており、生産者は不安を隠せない。県は11月から放射性物質検査を始める。

 県きのこ普及室は20日に県林業試験場(榛東村)で除染実験を始めた。林野庁は「指標値を上回った場合でも、除染後に数値を下回れば使用を認める」としており、除染が重要になる。

 実験は2年前に伐採し、ほだ木(屋外保管)として利用したコナラを検体に(1)24時間水に浸す(2)水道水をホースで10秒間吹き付ける(3)機器を使って低圧力の水を10秒間吹き付ける-の3通り試した。

 最も効果があったのは24時間の浸水。放射性物質が付着しやすい樹皮表面だけ集めて検査で、1キログラム当たり1854ベクレルの放射性セシウムを検出したが、除染後は37・9%減の1151ベクレルに下がった。

 普及室は「県内でも指標値を超える可能性はある。除染できれば、使用可能な原木林の範囲が広がる」と説明する。林野庁は「樹皮以外に木の内部も含めて検体とする」方針。樹皮だけ検体とした今回の方法と異なり、普及室は「国の検体の取り方をすれば、同じ原木でもこれほど高い放射性セシウムは検出されない」とみる。

 高崎健康福祉大健康栄養学科の江口文陽教授も、伐採した原木に高圧の水を1分間流す除染を実験し、4割の除染効果を確認した。原木からシイタケの成長過程で移る放射性セシウムの割合は30~40%とのデータも得ている。安全確保のため、江口教授は検査体制強化とともに「屋内栽培を徹底してほしい」と呼び掛けている。

 業者は指標値に不安感を強めている。原木となるコナラを伐採して卸す原沢林業(川場村)の原沢順一社長は「厳しい基準。除染できたとしても経費と手間がかかる」と指摘している。

 本県の原木シイタケ生産量は1577トン(2009年)で全国1位。原木使用量は1万7240立方メートル(08年)で、このうち8割は県内産。

 放射性物質検査は原木のほか、おが粉などで作る菌床でも行う。

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